「それは違う」
書いたものを
読み直しては
このごろ思う
いや違う
いいたかったのはこんなじゃない
組立てもしっくりこない
どこか違ってしまっている
その場その場の空気の流れで
書いたことなどない
といえるか
暗い戦争の時代
権力に尾を振るようにして
詩を書いた
戦後その屈辱に耐えず
筆を折った先輩がいた
そもそも書き残すべき
任務とは何か
いま詩は
民衆のものだ
書くのも
読むのも
オレじゃない
紹介されるとき
「詩人です」と
自分から男は言った
2004/8/22
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